儚さと情愛が交錯する、台湾発恋愛系ヒューマンドラマ
人のつながり方について改めて再認識させられ、俳優陣の演技に涙腺が思わず緩んでしまう
主役二人は音楽プロデューサーのKと作詞家のクリーム。Kは幼いころに両親を亡くし、孤独を抱えながら白血病を患い余命わずか。クリームも高校時代に両親を交通事故で失っていた。
二人の出会いはお互い孤独な高校時代。同じような境遇を持つ二人は次第に打ち解け、恋人とまではいかないが、家族のような深い絆で結ばれるようになった。
病気のこともありお互い自分の好きな気持ちを直接伝えられないまま、すれ違いながら、果たして二人は結ばれるのか。
共通のバックグラウンドから結ばれる関係

本作の主役二人は悲しい過去を抱える者同士、惹かれ合っていく。きっと同じような境遇の人間はお互いビビッとくるものがあるのだろう。特に悲しい過去のトラウマは、それを経験した当事者でしか分からない感情があるのだろう。
私の経験を振り返ってみても、現役時代の大学受験失敗時、愛犬の死別の際は誰に励ましの言葉をかけられても心に響かなかったのを覚えている。例えば浪人の予備校時代は、同じ挫折を味わったもの同士、お互い切磋琢磨し結束が強かった気がする。
恋愛でも同じような家庭環境や育ちをしたもの同士が結び付くことが多い気がする。「共感し合える」ことが心を通わすための最大の行為であり、生涯を共にしようと決意する決定打になるのだろう。
本作でもKはクリームのことを愛していたにも関わらず、自身の病気を理由に告白せず、理想の結婚相手まで探す。過去を共有しながら愛し合っているが故に、時には離れることも愛情表現のひとつなのだと再認識した。
確かにお互いの愛のゴリ押しは真の恋愛の形ではない気がする。時に悲しみや嬉しさを共有しながらも、時に距離を置いて静観することこそが、本当の意味で「愛し合う」ということなのだろう。
涙を誘う俳優陣の演技

本作を語るうえで欠かせないのが主演二人の演技だ。まず、K役を演じたリウ・イーハオ。「台湾で最も萌える彼氏」との異名を持つ彼は、確かに甘いマスクをしている。『ディア・プリンス〜私が恋した年下彼氏〜』などラブコメディでの年下彼氏役を演じた際も話題になった。
本作でも甘いマスクと柔和な雰囲気が、白血病という秘密を抱えながらも愛する人を想い続ける優しさと上手くマッチしている。クライマックスにかけて葛藤に押しつぶされそうになる様子を目の使い方や沈黙の間で表現し、涙をそそられた。
他の代表作に高視聴率を記録した『運命のイタズラ~私たちは友達になれない』、韓国の有名俳優イ・スンギとの共演が話題となった『ふたり旅』などがある。
次にクリーム役を演じたアイビー・チェン。孤独を抱えながらも純粋な心を持ち、まだまだ未熟だった高校生時代から感情が揺れ動いたり、葛藤から心理的な駆け引きまでしたりする大人時代までの成長過程を見事に演じている。
特にある秘密が発覚した際の演技は、深い悲しみに沈溺しながらも愛は決して色褪せない様が見事に表現され、圧巻だった。
ドラマ『スキップ・ビート!~華麗的挑戰~』、映画『花様〜たゆたう想い〜』、『お仕事です!~The Arc of Life~』など、数々のヒット作に出演している。
配給 ハーク
ギャビン・リン監督
リウ・イーハオ、アイビー・チェン主演
公開当時、台湾で国内映画興行収入第1位を記録し、中国やシンガポール、マレーシアでもアジア映画の興行収入1位を獲得するなど、アジア圏の映画界を席巻した。
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